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自分好みのウイスキーを見つける旅に出かけよう

ウイスキーの種類や味わいの違いを理解するには、テーマを決めて飲んでみると非常にわかりやすいです。
ウイスキーのタイプや原産国、樽の違いなどを知れば、あなたのウイスキーに対する味覚は飛躍的に向上します。お家で、Barで、ぜひ試してみてください。
お気に入りのウイスキーを見つける旅に出かけましょう!
執筆・監修:オーツカ・岡村 天翔
2021.06.01
初級

ウイスキーのタイプや樽の違いを知ろう

初級では、作り方の違いによってウイスキーの味わいにどのような差が出るのかを感じてみましょう。
普段何気なく飲んでいたウイスキーがどんなタイプなのかを理解して、好きなタイプを見つけてみましょう。
  • Theme 01シングルモルト、ブレンデッド、グレーンを比べる
    はじめに原材料や製法によってウイスキーにどのような味の違いがあるのかを知りましょう。
    代表的なジャパニーズウイスキーで比較するとわかりやすいでしょう。
    • 大麦麦芽のみを使用し、単一の蒸溜所でつくられたシングルモルトウイスキー。 山崎はジャパニーズシングルモルトを代表する銘柄です。
    • 大麦麦芽を原料にしたモルトウイスキーと、様々な穀物を原料にしたグレーンウイスキーを混ぜて作ったのがブレンデッドウイスキー。響は国内ブレンデッドの代名詞。
    • とうもろこし、ライ麦、小麦などの穀類を原料とし、そこに大麦麦芽を糖化酵素として加え作られたウイスキー。 穏やかでスムーズな味わい。
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  • Theme 02ブレンデッドウイスキーの違いを理解する
    ブレンデッドウイスキーはどのような味わいの違いがあるのか確認してみましょう。 以下の代表的な12年熟成のスコッチ3種はどれも個性があり、比べてみるとわかりやすいです。
    • 通称「ジョニ黒」の名で知られる骨太なブレンデッドウイスキー。 キーモルトにタリスカーやラガヴーリンを使用しており、レーズンやドライフルーツのような甘みの中にうっすらスモーキーさを感じる。
    • 50種類近い原酒がブレンドされた、バランスの良いウイスキー。 フルーティーで華やかな味わいで、ストレート、ロック、ハイボールをはじめどんな飲み方にも対応できる万能選手。
    • フローラルな香りと、ナッツの香ばしさ、青りんごの瑞々しさを持つ、上品なウイスキー。 スペイサイドモルトを代表する原酒が多くブレンドされており、アルコール感を感じさせないスムースさが魅力。
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  • Theme 03熟成樽の違いを理解する(バーボン、シェリー、新樽)
    熟成する樽の種類でもウイスキーの味は大きく異なります。 バーボン樽、シェリー樽、そしてバーボンウイスキーに使われる新樽を比較してみましょう。
    • スコットランドのハイランド地方でつくられるすっきりとした甘みのあるシングルモルトウイスキー。 バーボン樽熟成の特徴がとてもよく出ており、その飲みやすさはビギナーにも大人気。
    • スコットランドのスペイサイド地方を代表するウイスキーで「シングルモルトのロールスロイス」とも呼ばれます。 シェリー樽熟成のレーズンやドライフルーツ、ジンジャーなどの風味を持っています。
    • アメリカケンタッキー州でつくられるバーボンウイスキーで、内側を焦がしたホワイトオークの新樽で熟成されています。 バニラやキャラメルのような味わいが強く、スイートでスムーズな味わいです。
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  • Theme 04バーボン樽(ピートなし)を理解する
    次はピートの有無を学びましょう。 前述したバーボン樽熟成のウイスキーで、ピートを焚いていないものはどういった味わいになるのかを見ていきます。
    • 世界で最も売れているシングルモルトウイスキーで、みなさんにも身近な存在のウイスキーかと思います。 バーボン樽で熟成した原酒の割合が多く、なめらかで上品。まさにバーボン樽のお手本のような逸品。
    • オールドパーやホワイトホースなどのキーモルトにもなっている優しい口当たりのシングルモルト。 すっきりと鼻通りのよい香りは洋ナシやメレンゲパイを彷彿とさせます。
    • スコットランド中部の低地帯、ローランドにて作られているシングルモルトウイスキーです。 ローランドモルトの伝統ともいうべき3回蒸溜製法で、オイリーでマイルド、ソフトな風味に仕上がっています。
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  • Theme 05バーボン樽(ピートあり)を理解する
    続いてピートを焚いた大麦麦芽を使い、バーボン樽で熟成されたウイスキーを比較していきます。 ピートが苦手な方でも飲めるものがあるかもしれません。
    • 薬品のような強烈なスモーキーフレーバーが特徴のシングルモルトウイスキー。 ヨードや海藻のようなニュアンスの中に、バーボン樽由来の甘みやバニラのコクを感じられます。
    • スコットランドのアイラ島でつくられるウイスキー。 ラフロイグ同様強い燻製の香りがしますが、そのスモーキーさの裏に甘く爽やかな果実の風味を持っているのでハマる人も多いウイスキー。
    • アイラ島のすぐ近く、マル島のトバモリー蒸溜所で造られる、ヘビーピートタイプのウイスキー。 鰹節や昆布だしのような和風のフレーバーが感じられるので、日本人には好まれるタイプかも。
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  • Theme 06シェリー樽(ピートなし)を理解する
    シェリー樽でピートを焚いていないウイスキーにはどんなものがあるのか見ていきましょう。 バーボン樽に比べるとレーズン、ドライフルーツ、黒糖、メープルシロップなどの重めで甘い風味が多いです。
    • シェリー樽熟成にこだわりを持つハイランドの蒸溜所でオロロソシェリーの樽とペドロヒメネスシェリー樽を使用しています。 干しブドウとビターチョコの特徴が存分に発揮されており、とても人気の商品です。
    • ブレンデッドウイスキーのデュワーズの原酒確保のために建設された蒸溜所で、シェリー樽の使用比率が高く、フルーティで上品な風味を持っています。 モルトの甘みもしっかりと感じることができ、はちみつのような丸みのある味わいが特徴。
    • ノンピートの麦芽を使用し、ピートの味にごまかされない上質な原酒づくりを行うことがポリシーの蒸溜所。 シェリー樽熟成にもこだわりがあり、上質なシェリー樽とリフィルと呼ばれる2回目以降ウイスキーを詰められた樽をブレンドしています。
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  • Theme 07シェリー樽(ピートあり)を理解する
    次に、ピートを焚いて乾燥させた大麦麦芽を原料に使用し、シェリー樽で熟成させたどっしりとした味わいのウイスキーたちを比較しましょう。
    • 1779年創業と、アイラ島で最も古い歴史を持つボウモア。 バーボン樽で12年以上熟成させた原酒を、オロロソ・シェリー樽で3年間以上熟成。その厚みとコクはしっかりカカオを感じさせます。
    • アードベッグ蒸溜所が造るシェリー樽で後熟したカスクストレングスのウイスキー。 アルコール度数が50%台、そこにシェリー樽の重厚な風味が加わることで、強烈なインパクトを持っています。やや上級者向けウイスキー。
    • 原酒をバーボン樽(メーカーズマークファーストフィル)で5〜7年熟成、その後クオーターカスクで7〜9ヶ月熟成。さらに甘口シェリーのペドロヒメネス樽で1年後熟させたラフロイグ。サルタナレーズンと嫌味のないシェリーが特徴。
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  • Theme 08経年変化を理解する
    初級の最後はウイスキーの熟成年数での違いを飲んで感じていきましょう。 低コストで比較が可能な、スコッチの代表的なブレンデッドウイスキー、バランタインを使っていきます。
    • バランタイン12年、17年、21年を飲み比べてみましょう。 クリーミーでスムース、まとまりのよい12年と樽香、甘み、スモーク、すべてのバランスがとれた上品な17年、そしてウッディで蜜のようなふくよかさを感じさせる21年。 最初は香り(トップノート)の違い、次に飲み終わりのフィニッシュの長さを比較すると分かりやすいかと思います。その後に味わいの違いをじっくり堪能しましょう。
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中級

国別・エリア別で比較してみよう

中級では、作られている地域によってウイスキーにどんな差が出るのかを知りましょう。
各国、各エリアの代表的なウイスキーを飲んで、産地別の傾向を捉えてみてください。
  • Theme 09アメリカンウイスキーの違いを把握する
    まずアメリカでつくられるウイスキーを比較していきます。 トウモロコシを原料にしたバーボンウイスキーが有名で、内側を焦がした新樽を使って熟成されます。 木の色素や香りを強く取り込む傾向があり、バニラやキャラメルのような香り、チョコレートやメープルシロップのようなフレーバーが強く出ているのが特徴です。
    • 口当たりはまろやか、樽材のアロマも芳醇なミディアム〜フルボディのバーボンウイスキーを集めました。 60度を超える強烈な飲みごたえの「ノブクリーク 9年 シングルバレルリザーブ」、冬小麦を原料に使い、樽の中に木片を入れ熟成させた「メーカーズマーク 46」。 長期熟成のバーボン「I.W.ハーパー 12年」、アメリカンウイスキーとして唯一の単式三回蒸留製法「ウッドフォードリザーブ」、一つの樽から払い出された原酒のみを使用したプレミアム品「ブラントン」の構成。 それぞれキャラクターの異なるリッチなアメリカンウイスキーを比較して飲んでみましょう。
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  • Theme 10アイリッシュウイスキーの違いを把握する
    アイリッシュウイスキーは、アイルランドでつくられているウイスキーです。 スコッチやアメリカンと比べるとややマイナーであったアイリッシュウイスキーですが、昨今、その白桃や梨、トロピカルフルーツのフレーバーが人気を博し、爆発的に流行の兆しを見せています。軽い酒質でビギナーにも飲みやすく好評です。
    • 単式三回蒸留モルト原酒と連続式蒸留グレーン原酒とをブレンドした「ジェムソン ブラックバレル」、アイリッシュに珍しいピーテッドタイプの骨太派「カネマラ 12年」。 ポットスチルウイスキーとモルトウイスキーとをブレンドした隠れた人気者「ライターズ ティアーズ」、シェリー樽熟成の甘やかなシングルポットスチルウイスキー「レッドブレスト 12年」、そして2012年に設立されたアイルランドの新勢力「ティーリング シングルモルト」。 アイリッシュウイスキーとはどんなものか、とてもわかりやすい構成になっています。
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  • Theme 11スペイサイドウイスキーの違いを把握する
    スコットランド最大のウイスキー生産エリア、スペイサイド地方でつくられるウイスキーを比較してみましょう。 花のような香りや、若草のような青々しい香りのものが多く、華やかでフルーティー。 口当たりもマイルドで、味も甘いものが多いことが特徴です。
    • スコットランド最初の政府公認蒸溜所がグレンリベットで「すべてのシングルモルトはここから始まった」と言われています。 スペイサイドを代表する銘柄のひとつで洋ナシ、青りんご、レモンなどのフレーバーを持っています。 ライトボディで初心者にもおすすめのシングルモルトです。
    • イタリアではシェア率70%を誇るスコッチシングルモルト。 熟したオレンジとフレッシュなリンゴ、そしてハニートーストのような香味を持っているドライな逸品。12年は特に均整がとれており、心地よいオークフレーバーは多くの人を虜にします。
    • まだまだマイナーですが、その味わいの評価は高いスペイサイド最小規模の蒸溜所ベンロマック。 熟成年数は10年ですが、その年数に似つかわしくない熟成感、古酒感は非常に玄人受けします。 ふくよかなシェリーの香りにマンゴーのジューシーさ、心地よいスモーキーさに旨味が同居する複雑な味わいを持っています。
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  • Theme 12アイラウイスキーの違いを把握する
    スコットランドのヘブリディーズ諸島最南端にあるアイラ島でつくられるウイスキーを比べてみましょう。 No half measure!ノーハーフメジャー【好きか嫌いか、どちらか。中途半端はない。】の言葉が表す通り、強烈な個性を持つ蒸溜所が多いアイラモルト。 アイラモルトはスモーキーでピーティーだけではありません。お気に入りを探してみてください。
    • 8つの代表的な蒸溜所のスタンダードボトルを比較すると、アイラモルトの全体像がつかめます。 炊き込むピートは約55〜65ppm、ヘビーピーテッドなモルトウイスキー「アードベッグ 10年」。アイラ最大の蒸溜所でソルティでフレッシュな味わいの「カリラ 12年」。 自家製大麦麦芽を使用しているアイラで一番小さな蒸留所「キルホーマン マキヤーベイ」。ピート香のないアイラモルトで、高アルコール度数の人気者「ザ・クラシックラディ」。カティサークやフェイマスグラウスにも使われるどっしりした味わいの「ブナハーブン 12年」。 重くなく軽くなく、ピートがほどよく効いたアイラウイスキーの入門ボトル「ボウモア 12年」。 ヘヴィでスモーキー、重厚な16年熟成「ラガヴーリン 16年」。そのくっきりとした薬品香はアイラモルト代表「ラフロイグ 10年」。
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  • Theme 13アイランズウイスキーの違いを把握する
    オークニー島、ルイス島、スカイ島、マル島、ジュラ島、アラン島といったスコットランドの北西側を半分ぐるっと取り囲むように陣取られたエリアでつくられるウイスキーです。アイラモルトに負けず個性的なウイスキーが多いので、代表的なものを同時に飲んで把握してみましょう。
    • オークニー諸島でつくられるスモーキー&スイート&フルーティ「ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー」。バランタインの構成原酒のひとつですっきり飲みやすい「スキャパ スキレン」。スカイ島でつくられるスパイシーな超人気モルト「タリスカー 10年」。マル島でつくられるノンピートで小気味よい味わいの「トバモリー 12年」。ジュラ島でつくられるこちらもノンピートのさっぱり味「アイル オブ ジュラ 10年」。アラン島でつくられ、近年非常に評価が高まっている「アラン 10年」。 国内でも好評を博しているアイランズウイスキーですが、共通する個性はあまり見当たりません。 ひとつひとつをじっくり飲んでいただいて、お気に入りのアイテムを見つけてください。
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  • Theme 14キャンベルタウンウイスキーの違いを把握する
    アイラ島から海を隔てたイギリス本土の港町・キャンベルタウンでつくられるウイスキー。 アイラウイスキーに代表されるピーティ(燻製香)さを持ちながら、ブリニー(塩辛さ)なイメージを併せ持つことで知られています。
    • 使用麦芽は100%自家フロアモルティング、単式2.5回蒸留製法でつくられる「スプリングバンク 10年」。単式3回蒸留製法でつくられるノンピートタイプのクリアなウイスキー 「ヘーゼルバーン 10年」。炊き込むピートは約50ppm、スプリングバンク蒸留所のスモーキー担当「ロングロウ」。バーボン樽70%とシェリー樽30%、リコリスを感じさせる高バランスな逸品「キルケラン 12年」。グレンスコシア蒸留所でつくられるずっしりと濃厚、複雑な味わいの「グレンスコシア 15年」。 製造量が少なく、国内でもあまり流通しないキャンベルタウンウイスキーですが、非常にファンは多いです。そのカルト的人気は飲めばわかることでしょう。
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  • Theme 15ローランドウイスキーの違いを把握する
    スコットランドの南東部ローランド地方でつくられるウイスキーを比較していきましょう。 スコッチの他のどの地域と比較しても「酒質が軽い」と感じる人が多いのが特徴です。 これはアイリッシュウイスキーの影響を受け、3回蒸溜を行っている蒸溜所があるためです。
    • オーヘントッシャン最大の特徴はローランドモルトにおいて伝統的ともいえる3回蒸溜を行なっていること。 オイリーで少しシロップを思わせる味わい。癖がないのでカクテルベースにも使われます。
    • エジンバラの程近く、スコットランドの庭園とも称されるのどかな穀倉地帯で生産されているグレンキンチー。 切花や干草のニュアンスを持っており、甘美でドライ、ライトでスパイシー。
    • スコットランド最南級蒸留所によるシングルモルトウイスキーで一時は閉鎖されたものの、2000年に再オープンを果たしました。 青々しいハーブ、生薬っぽい酸っぱさと甘さを持つハーバルなシングルモルト。
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  • Theme 16ニューワールドウイスキーの違いを把握する
    ニューワールドウイスキーとは世界の5大ウイスキー産地(スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズ)以外の国でつくられたウイスキーのこと。 現在はインドや台湾などのアジア勢の躍進がめざましく、世界で一番ウイスキーが飲まれている国はなんとインドなのです。
    • ニューワールドウイスキーの筆頭、数々のコンテストを総なめにしている「カバラン クラシック」。最大のウイスキー消費大国であるインドのシングルモルトウイスキー代表「アムルット」。オーストラリア本土より南方の海上に位置する島、タスマニアでつくられる「ヘリヤーズ・ロード オリジナル」。フランス北部ロレーヌ地方で稼働している、グラレット・ドゥピック蒸留所のシングルモルトウイスキー「ロゼリュール オリジナル」。2010年に創業したスウェーデン産のウイスキー「BOX ダルヴィ」。 土地の味や文化の味をまざまざと感じられるのが最大の魅力ですが、なかなか挑戦しずらいジャンルかと思います。こういった飲み比べセットをうまく利用して、シングルモルト新興勢力を確認してみてください。
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上級

さらにフカボリしてみよう

上級ではカスクフィニッシュやボトラーズの特性について学びましょう。
ウイスキーの深淵に触れ、お気に入りの銘柄を少しずつ増やしていきましょう。
  • Theme 17カスクフィニッシュ/様々な樽の影響を理解する
    ウイスキーは実に様々な樽を使って熟成されます。 大きく分けると、初級でお話ししたバーボン樽とシェリー樽のほかに、ワイン樽やシェリー以外の酒精強化ワインを使った樽、ラム樽、ブランデー樽、テキーラ樽やビール樽なども存在します。それぞれの酒の特徴が付与されることにより、多種多様な風味を実現しています。 樽の違いを分かりやすく捉えるには「グレンモーレンジィ」が最適と考えます。 以下4種類のグレンモーレンジィを一度に飲むと、樽が与える影響がわかりやすいでしょう。 グレンモーレンジィはスコッチの中で初めてバーボン樽を使用した蒸溜所であり、また、90年代にカスクフィニッシュを一般的に流行らせた蒸溜所でもあります。
    • まずは基本となるバーボン樽100%のグレンモーレンジィを飲んでみましょう。 バーボン樽は原酒の個性を最大まで引き出します。特徴は「軽さ」と「バニラ感」。 ちなみに「グレンドロナック」など基本的にシェリー樽熟成しか行っていないブランドのバーボン樽熟成の物を飲むと、よりその原酒そのものの個性を知ることができます。
    • オロロソシェリー樽とペドロヒメネス樽でフィニッシュをかけた12年熟成のグレンモーレンジィ。 辛口でパワフル、そしてフルボディなオロロソシェリーの樽は熟成に使用されるとドライフルーツやタンニンの渋みが付加されます。 そして極甘口でソフトなペドロヒメネスシェリーの樽は熟成に使用されるとベリー系の甘みが非常に強く出てきます。 ラサンタは両方の樽を使っていますが、ボトラーリリースでは「オロロソマチュアード」「PXマチュアード」など個々の樽を使ったウイスキーも沢山ありますので、気になった方は探してみてください。
    • ルビーポート樽でフィニッシュをかけた14年熟成のグレンモーレンジィ。 ポルトガルの酒精強化ワインであるポートワインには、ルビーポート、トゥニーポート、ホワイトポートと種類がありますが、中でもルビーポートの樽はボトラー等でも頻繁に使用されます。 カシスやベリーの甘さと粘性が付加され、非常にどっしりとした甘さになります。
    • ソーテルヌワインの樽でフィニッシュをかけたグレンモーレンジィ。 フランスの貴腐ワインであるソーテルヌワインはレモンにパイナップル、白桃のような軽やかな果実感を付与します。 ソーテルヌカスクフィニッシュもボトラーや、オフィシャル蒸溜所の限定品で近年多く見るようになってきました。
    シェリー樽、ルビーポート樽、ソーテルヌワイン樽は一般的によく限定品やボトラーズ等でも使われることの多い樽ですので、是非1度飲み比べて違いを探してみてください。
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  • Theme 18ヴィンテージの特徴を理解する
    ウイスキーには熟成年数とは別に蒸溜年というものがあります。 そのウイスキーが蒸溜された年、それがヴィンテージです。 オフィシャルのウイスキーでは熟成年数表記しかないものがほとんどですが、一部の限定品やボトラーではヴィンテージの記載があります。 ウイスキーは熟成年数や樽だけではなく、その原酒がいつ蒸溜されたかで大きく味わいは変わってきます。
    • ヴィンテージの味わいが分かりやすいブランドにボウモアがありますが
      ・1960年代 マンゴー
      ・1970年代 メロン
      ・1980年代 パフューム
      ・1990年代前半 トロピカル
      と言うように年代別でその特徴を大別することができます。 これは原材料である大麦の変化や酵母の変化、樽の変化、人材の変化によって起こる味わいの違いです。(※ミドルカットも正確ではないので、同じヴィンテージでも多少味わいは変わります) 全てのウイスキーは年代ごとに香りも味わいも異なるので、もし気に入った蒸溜所があればそこの古いヴィンテージのウイスキーを探してみてはいかがでしょうか。 きっと新しい発見と感動がありますよ。
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  • Theme 19ボトラーズを理解する
    独立系瓶詰業者(インディペンデント・ボトラーズ)と呼ばれる人たちがウイスキー蒸溜所から原酒を樽ごと購入して、独自に瓶詰したボトルです。買い取った樽の原酒をさらに熟成させたり、樽を交換してみたり、ブレンドを繰り返したりしてオフィシャルにはない独自の味を追及しています。 今回はビギナーにもその傾向がわかりやすい、特徴的なボトラーズをいくつかご紹介します。
    • キングスバリー
      1989年にスコットランドにてボトラーを始めたブランド。 上記に説明したヴィンテージというものに強くコンセプトを置いているボトラー。 通常ラインナップのキングスバリーゴールドは最もヴィンテージが分かりやすいボトルデザインになっています。
    • モリソン・スコッチ・ウイスキー・ディスティラーズ(旧モリソン&マッカイ)
      今年に入りラベルリニューアルもした代表ラインナップのカーンモア。 上品でどこか力強い。 そんなモルトのリリースが非常に多いシリーズです。 セレブレーションオブザカスクはコストパフォーマンスにも優れ特にオススメです。
    • ヒドゥンスピリッツ
      2013年に設立されたばかりのイタリアンボトラー。 優秀なボトラーが多いイタリアですが、ヒドゥンスピリッツは価格帯もお手頃ながら非常に素晴らしいボトリングが多いボトラーです。 特にピーテッドカスクでフィニッシュをかけたダルユーインやトミントールは非常に興味深い味わいなので是非。
    • メドウサイドブレンディング
      2009年設立のスコットランドボトラー。 そして当社のフラッグシップシリーズが「ザ・モルトマン」 ザ・モルトマンと言えばシェリー樽。 どっしりとしたタンニンの強いタイプではなく、割と甘めなシェリー樽が得意なブランドです。 価格帯もお手頃なので是非。
    • ハンナ ウイスキー マーチャンツ
      2012年に設立されたスコットランドボトラー。 そしてフラッグシップシリーズである「レディ・オブ・ザ・グレン」。 こちらは非常に女性的で優しいモルトを選ぶボトラーです。 価格帯もかなりお手頃でオススメ。 香りの華やかさと優しさに注目していただきたい。
    • ワットウイスキー
      2020年キャンベルタウンにて設立されたばかりの新鋭ボトラー。 今年日本にも初上陸をしました。 ボトラー業界では著名なマーク・ワット氏が選ぶ個性的なカスクは必見です。 今後もリリースは沢山出てくると思うので、今のうちにチェックしておくのがオススメ。 アルタベーン1997 23年が特にオススメ。
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